真白きだけの花火よ霞草

三十路で始めるロックンロール。いまだ売れていない天才(自称)バンドマンが語る音楽、文学、哲学、詩、料理、日々、あるいは旅。

瀬門春壱の「週報」7/13〜7/19

光陰矢の如し、一週間の速度どないなっとるんじゃい。引き続き体調悪し。左奥歯の激痛、舌先に切れたような痛み、偏頭痛、気圧のせいなのか? 日記を読み返すと6/22〜28の週報からずっと調子が悪そうだ。
 
釣り針で引っ張られたような偏頭痛が起こり、左の奥歯付近の歯茎が腫れ上がり、口内炎ができているのだが、
 
生活が荒れ始めているのは気圧や気候のせいなのか、それともあまりに日々が忙しすぎるからなのか、はたまた俺の体力がないからなのか
 
身体の調子悪く、ということはそのまま精神の調子の悪さにも繋がるわけで、
 

 

 
かれこれ一ヶ月近く体調が悪いということか。いつまで続くのやら。梅雨を抜ければ変わるのか。例年の自分はどうだったのか。日記を残しておくことの大切さを知る。
 
 
 
 
東京二日目。一度も途中で覚醒することなく朝まで眠る。漫画喫茶を出て、調布を去って国立へ向かう。
俺は昔からRCサクセション、忌野清志郎が好きなのだが、国立は彼の聖地で、泊めてもらう髭ドラムの家がある駅から近いので、立ち寄ることにした。
小雨降る国立の中を傘もささずに歩いて行く。「つり舟」という有名な天丼・海鮮丼屋で昼食をとり、「ロージナ茶房」(ここによくキヨシローは来ていたらしい)でコーヒーを飲み、目的地へ向かう。
シャッフルでキヨシローの曲をかけながら、彼の眼になってこの街を映す。キヨシローが青春を過ごした時とはすっかり街の様子も様変わりしているだろうが、それでも、あの静かな詩人がどんな風に世界を切り取ったのかを想像する。
 
夜に腰かけてた
中途半端な夢は
電話のベルで醒まされた
 
無口になったぼくは
ふさわしく暮してる
言い忘れたことあるけれど
 
多摩蘭坂を登りきる手前の坂の
途中の家を借りて住んでる

 

 
そうか、ここにキヨシローは暮らしていたのか、と「たまらん坂」にたどり着いた俺は「多摩蘭坂」を聴きながら感慨に耽る。
ひっそりと、賢者のように、憤り、やりきれなさ、哀しみ、そういったものを静かに抱えて、いつものようにあのアルカイックスマイルを浮かべているキヨシローのように俺も生きていきたいと考えて、しかし世に出てベラベラあることないこと話すことこそが俺の仕事、と一人苦笑する。
Youtubeでモノクロの「わかってもらえるさ」のライブ映像が上がっているが、この動画のコメント欄の「キヨシロー みんなに分かってもらえて良かったね。ヤングインパルス時代から応援してたよ。ゆっくり休んで下さい。ありがとう」という書き込みを見るたびにいつも泣いてしまう。
みんなに分かってもらえたんですよ、貴方の素晴らしさが。キヨシロー。「わかってもらえるさ」、そう思って俺も今日まで生きてきた。俺が生きてこれたのはキヨシローが「わかってもらえるさ」って言ってくれたから。その言葉が、俺の杖になった。永遠のヒーロー。ユングのオールド・ワイズ・マン。ありがとう。本当に。
 
「たまらん坂」を後にして、少し離れた「湯楽の里」という温泉施設に向かう。ここでようやく一息。酒を飲みながら「TRICK」を観る。ただただ幸福な時間。
 
温泉を出て、某駅前にて帰宅した髭ドラムと落ち合う。「家までタクシーやねん」、駅前のドンキで酒を買い込み彼の家へ。
しかし二人とも特に近況を話し合うでもなく、なぜか「らんま」を観ながらダラダラ酒を飲み、気づいたら眠ってしまっていた。
 
 
 
 
目を覚まし、互い仕事など済ませて昼食をとり、髭ドラムと別れて東京駅「ハンバーグワークス」にて、古い親友アトムと飲む。
アトムは二歳か三歳のころから遊び始め、小、中、高と一緒で、就職してからは東京に出てきた俺の竹馬の友、というヤツで、今でも盆と正月は会って酒を酌み交わす間柄だ。
彼は俺たちの中でズバ抜けて頭が良く、俺の書物のモデルにもよくしている。
かなり真剣に将来のこと、これからの世界のことなど話し込む。儲かっているのだ、と言って食事はすべて奢ってくれた。
バス停まで見送ってくれて、俺は一人神戸へ帰る。3列シート、トイレ付きの夜行バスを借りて快適だったのだが、それにしても全然眠れない。全然眠れないままに朝から働き、そのまま夜中も働く。
帰ってきて少し眠り、今度は幽谷響・Dobooi Dobooiesのヒロミツ、ケントと俺の家で音楽研究会と称した飲み会。
凄まじくディープな話で盛り上がる。この飲み会、本当に面白く、出来事を拡大し、細部をスケッチしたいと考えるのだが体力的に限界。この調子の悪い霧から早く抜け出したい。
 
 
 
 
翌日から奥歯が強烈に痛み始めたのだが、確実に無理がたたっているのだと、日記を書いていると気づく。
木曜日は練習。8月4日のライブに向けて。今度のライブは新曲を中心にやっていくつもり。バンドの調子はいい。それだけが救いだ。