真白きだけの花火よ霞草

三十路で始めるロックンロール。いまだ売れていない天才(自称)バンドマンが語る音楽、文学、哲学、詩、料理、日々、あるいは旅。

瀬門春壱の「週報」6/29〜7/5

生活が荒れ始めているのは気圧や気候のせいなのか、それともあまりに日々が忙しすぎるからなのか、はたまた俺の体力がないからなのか(自分を卑下するのはよせ、お前は馬車馬の如くタフに走り回っている)、もちろんこんな天気ばかりが続けば洗濯物は干せやしないし、そりゃあどことなくジメジメしている部屋に憂鬱を覚えるのも分からなくないが、それなら片付けたり洗濯していたりに割り当てていたはずの時間は一体どこへ行ったのやら。本を読み、文字を書くことに使ったのだろうか? 音楽に使ったのだろうか? いや、、、と思っていたが、しかしこれはまた俺の悪い癖で、十分そういったものに時間を使えていたはずだ。この季節はどうにも調子が悪くて困る。6月という言葉から連想する透き通った青い雨を想うと、それほど悪い季節ではないと思うのだが。
 
 
 
 
どうやら巷ではサ道(サウナ道)というものが流行っているらしく、サウナにハマり倒している友人の勧めで、俺の家の近くの風呂屋に行く。
俺はもともとサウナが好きだし水風呂にも必ず入る人間なのだが、どうやらサウナ道には手順があるらしく、その手順に従ってサウナに入れば「サウナトランス」というドラッグ顔負けのブッ飛びがキメられるのだという。
バロウズ育ち中島らも生まれ、ヤバそうなヤツはだいたい友達(ではない)の俺としては体験するしかないだろう。まずは風呂に入り、一度上がってタオルで身体の汗を拭き取り(こうすることで新しく汗をかくことができるんです、あ、でもこれは決して必要な行程ではないんです。と友人。いらんのかい!)、サウナに入ること10分。いつもは水風呂に入ってからサウナに入るのだが、身体が冷えていない状態での10分はなかなかに厳しい。心頭滅却すれば火もまた涼し、暑いと思っているのは俺の意識であり、その意識を観察している俺自体は決して暑くはないのだ、などと瞑想のメソッドを応用するも暑いものは暑い。
ようやく10分が経過してサウナを出て、そのまま熱いシャワーで身体を流し、水風呂へGO。ああ水風呂最高。1分半ほど入り、水風呂から出ようと立ち上がった瞬間にクラリ、ときて俺は思わずにやり、おお確かにトランス!
そのまま椅子に腰かけて目を閉じると、頭の中がぐるぐる回り、なにも考えられなくなってくる。やがて身体の芯に灯っている熱に気づくと、それがじわりと身体全体に血液を通して広がっていくのが分かる。ああ、至福の時。
後ろに座っている友人は、と振り返ってみると、彼はまるで即身仏のように大きく口を開いたまま昇天していたのであった。
 
風呂上がりにビールを引っかけ(競馬に買った金で奢った)、帰宅。
結局泊まっていった友人は、「目覚めが良くなりますよ〜」という言葉とは裏腹に何度目覚ましが鳴っても起きてこなかった。
 
 
 
 
某ライブハウスに出勤、帰りに古い友人と会う約束をしていたのでボスの誘いを断り、彼の家で少し話をする。
これから世界は、未来はどうなっていくのか。
そんな折、聞かせてもらった音楽に衝撃を受ける。
家に帰り、俺は今日までなにをやっていたのだ、とひどく落ち込む。
もっといい曲を書きたい。
 
 
 
 
甲東園で練習。尼崎、神戸、東京と三本もライブが控えている。
スタジオ練習の調子は上々。
 
家に帰り、酒を飲んでいると、ふと思い立ち、そのまま文字をずらずらと書き連ねることができた。
夜明け近くになり、気がつけば自分の体調がとてつもなく悪いことに気づく。
少し眠るがまったく回復せず、かろうじて朝の料理屋へ行くものの、すぐに体調の悪さを見抜かれて家に帰らされる。
そのまま俺はトイレの神様になる。バファリン、高いユンケル飲み、眠り倒し、フラフラで夜、働く。
 
 
 
 
なんとか回復し、夜通し働いたあとで朝の料理屋へ行き、のち某ライブハウスに出勤。今から考えれば一体なにを考えているのか分からないハードスケジュールだが、なにも考えていないのだから仕方がない。
かわいがってきた若手バンドの企画。客入りも上々で価値ある一日になった、と頷いて帰ろうとすると、「瀬門さん、前朝まで付き合ってくれるって言ったじゃないですか! 飲みに行きましょう!」と誘われ断りきれず(過去の俺よ死んでくれ)、結局夜中三時まで「鳥貴族」で飲み、帰って、少し寝て、朝から料理屋で働いて少し寝て尼崎toraでライブ。おいおい書いてて自分でよく今週生き延びれたな、と戦慄しているよ。馬鹿か俺は?
toraはブッカー星子のバースデーイベント、最終日で俺たちの出番はトリ。酒を飲むが、熱くなるばかりで酔わない。身体が酒を受け付けていないのだ。
苦笑しながらなんとか一日を乗り切る。この日も藤本さんと一緒で、やはり藤本さんは最高だった。酔っていないのに泣いてしまった。
中華料理屋でちーまこと打ち上げてから帰宅。しかし眠れず結局朝まで文の手入れをする。死ぬ気か、自分?
充実している。十分充実しているし、その中でお前はよく戦っている。大人になればもう誰も褒めてくれないのだから、自分で自分を褒めてやるしかない。しかし休んだら、再び戦え。何度でも立ち上がれ。お前はゾンビだ。お前のその様だけが、つっ立ち方だけが、人の心に勇気を与えるのだ。