真白きだけの花火よ霞草

三十路で始めるロックンロール。いまだ売れていない天才(自称)バンドマンが語る音楽、文学、哲学、詩、料理、日々、あるいは旅。

戦争を終えて

稲垣足穂はアルコールの飲み過ぎで終いには鬼を見たというが、昨夜は俺も布団をひっかむり、一日中悪夢にうなされながら二日酔い、ならぬ三日酔い、ならぬ四日酔いの地獄をしのいでいた。

 

いや本当に酒は地獄で、なぜかというと、俺は母親の身体の中にストッパーというものを落としてきたのであり、一度飲みだすと「これでひと心地ついた」というところがなく、どこまでも際限なく飲み続けてしまうのであり、しかしきっちり酔っ払ってしまい、見事に次の日をまるまる一日棒に振る。といった有様で、目を覚ますと財布の中身はなく、アセトアルデヒドによってもたらされる自己嫌悪がどんよりとあたりに広がっていて、ああ昨日も図に乗った、人に優しくできなんだ、余計なことを言い放った、三十一歳にもなってこんな後悔をしているということは、どこかで酒をやめないとゆくゆく俺の未来は狂死、ただそれ一択だけしかないのであり、しかしまあそれも文学者としては生きる定めなのかもしらん。なあ足穂。

と、かの澁澤龍彦に「我が魔道の先達」とまで言わしめた足穂翁を相手にタメ口で話しかけていると、心の奥から「お前は文学者でもなんでもないやんけ。はっ」という己の声が聞こえてきて、もし文学者でもなんでもない凡人が、鬼を見るようになったら、鬼を見るだけ損じゃないか。鬼ちゃん出ないで。怖い、などと一人つぶやきながら家屋を徘徊するその様がまさしく鬼そのものであって、この不安を打ち消すためには酒を飲まないと。と考える自身の思考回路にゾッとしながら、こんな時だけ神仏に祈りを捧げるのであった。

 

 

というわけで、神戸にある某ライブハウスにて自身のバースデー・パーティーと称して三日連続でイベントをやったワケですが、いや〜飲みました。

本当に皆さま、たくさんのお祝いありがとうございました。幸せなヤツだと、酒の抜けた今の身体なら思いますです、はい。

 

三十一歳になりましたが、二十九歳→三十歳になった時の、あの自分の人生もここまで来てしまったか。俺は一体なにを成し遂げたんだろう。俺は、、、というような煩悶はほとんどなく、まあ俺は他の何者にもなれなくて、俺のままで生きるより他にない。という、ある種自分に対しての諦念、というか、腹をくくったところが出てきます。

ただ、文学と音楽に対して、全力を尽くしたかというとそうじゃなくて。

なので、今年は全力を尽くします。楽しみにしていて下さい。